祖母の「無言」
小学生の頃。平家(ひらや)で、いま振り返ればすごく狭いスペースの借家に住んでた際の 夜に寝る時の話。男二人の兄弟(自分が長男)で、いざ寝床に入っても弟とあれこれ喋ってる 時…同じく布団に入っていた祖母がよく言ったものだ。「むごん」と。 無言という意味で、つまりはおしゃへりを止めて黙って寝なさい…という注意だったが 耳で聴く「むごん」という響きだけ、いまも記憶に強く残ってる。座禅の時にうしろから ピシャリと打ち据えられたみたいな感じもあるし、いまなら「静かに寝なさい」と言う所 を「むごん」という言葉で伝える祖母…おばあちゃんは凄かった。 ああいうのは、家族がひとつの部屋で川の字になって寝起きしていた時代の話でたしか にわが家もある時期まであったけど、家の構造が変わりそれぞれ別の部屋になると…もう ない。「むごん」…か。祖母と同じあの時代の人は、そう言って注意していたのかなあ。